牛久市 龍ヶ崎市 つくばみらい市 耳鼻咽喉科

そうだ耳鼻咽喉科クリニック

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補聴器Q&A

補聴器についての質問です

最近会話をしている時に言葉を聞き返すことが多くなり、テレビも音が大きいと言われるのですが、補聴器が必要かどうかわかりますか。

また補聴器は値段が高いと聞きますが、安価な集音器などは役に立つのでしょうか。

まずは現在の耳の状態をお調べいたします

補聴器が必要かどうか、ということですが、まずは現在の耳の状態をお調べいたします。

難聴の程度を調べる

きこえについてのご相談には、耳の診察を行い耳垢のつまりや耳漏、中耳炎などが無いか鼓膜の所見をとり、次いで聴力検査を行い聴力レベルから難聴の程度を調べます。

治療で聴力が改善する“滲出性中耳炎”などの疾患は、耳から探査音を出して音圧に対して鼓膜の状態を調べる“ティンパノメトリ検査”で鼓膜の可動性を確認し必要な治療を行います。

難聴が治療で改善するものではない場合、補聴器必要となります。

耳にレシーバをあてて音を聞き取る“標準純音聴力検査”を行い平均聴力レベルが40デシベル(話し声程度)を超えると小さな音が聞き取り辛く、日常生活に支障をきたすことも多く、補聴器装用が有効と判断されます。

より軽い難聴でも日常生活上ご本人の希望があれば補聴器が有効に適合するかどうかさらに検討を進めます。

補聴器の適合を見る

難聴と一言にいっても一人ひとり聞こえ方は異なります。
そこで補聴器の適合を見る際に語音弁別検査を行います。

語音弁別検査は言葉の聞き取り聞き分けの能力を測定するもので、語音明瞭度を測定し、補聴効果の度合いを測定します。もしもこの語音弁別検査で語音明瞭度が非常に悪い場合でも、補聴器がまったく役に立たないというわけではないので、その有効性の限界を御理解いただいたうえで、補聴器を上手に使用しコミュニケーションに役立てて欲しいと思います。

実際に補聴器を装用する場合、それぞれの個人の難聴の程度等に合わせた補聴器の調整を適切に行うことが必要です。これをフィッティングといいます。

補聴器販売店との連携、協力により良好なフィッティングが行われたうえで補聴器を装用します。

集音器について

通信販売などでみられる集音器ですが、難聴者が使用した場合十分な補聴効果が得られないものや、最大音の出力が大きすぎて聴覚に悪影響を与える可能性のあるものなどもあり、注意が必要です。

補聴器を装用したあとの大切なケア

補聴器の装用後のメンテナンスアフターケアも大事です。
補聴器装用後の耳のトラブルには耳垢増加や外耳道の炎症などが多く、定期的な管理を行います。

高齢者では十分な操作の説明装用練習も必要で、初めは短時間の装用から徐々に慣らします。
補聴器使用時には大きな声は聞きづらいものなので普通程度の声でゆっくり、はっきり話しかけること、また話しかける前に呼びかけてから顔を見て話をすることも、コミュニケーション上重要です。

補聴器にはそれぞれの個人の聴力の程度や生活環境、補聴器を使用する場面などに合わせた適切なフィッティングが重要です。

補聴器を上手に使用してコミュニケーションに役立て、QOL(生活の質)を高めたり、社会参加ができるとよいと思います。

※月刊誌ぷらざに「補聴器のはなし」で掲載された内容です。